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【ニュースの核心】左派主張「対話」が招く“核武装論” 理性なき北には圧倒的な力で抑止 (2/2ページ)

 米国は核の廃棄も求めるだろうが、最低限ICBMさえ破棄できれば米国本土が核で直撃される心配はなくなる。

 そんな合意が成立したら、日本はどうなるか。

 北朝鮮には核に加えて、日本を狙う大量の中距離ミサイル「ノドン」が残る。つまり、米朝合意によって日本だけが脅威にさらされるのだ。

 そうならないように、左派は「日本も交渉せよ」と言うだろう。だが、残念ながら日本には切り札がない。攻撃能力がないから、北朝鮮に圧力をかけられないのだ。

 では、どうするか。

 北朝鮮の核に対抗するために、日本でも核武装論が高まるはずだ。現に自民党の石破茂元幹事長は「核を持たず、作らず、持ち込ませず」の非核三原則の見直しを唱えている。「米国の核を堂々と日本に配備すべきだ」という主張だ。これは核武装論の変形である。

 歴史を振り返れば「核には核で」対抗し、破滅的戦争を防ぐ抑止論は米ソ冷戦時代に有効だった。ソ連といえども理性があったからだ。

 いまの正恩体制は理性のかけらもない。そうであれば、なおさら核の抑止力が必要になる。何をするか分からない相手には圧倒的な力で押さえ込む以外にないからだ。

 左派の対話路線は皮肉なことに結局、自分たちが猛反対する日本の核武装論に結びつく可能性が高い。「北朝鮮の核を前提に交渉すべきだ」などとテレビで公言している論者は論外だ。自分の発言の愚かさに気付いてもいないのである。

 ■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。東京新聞論説委員。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革推進会議委員などの公職も務める。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。最新刊に『ケント&幸洋の大放言!』(ビジネス社)がある。

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