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【勝負師たちの系譜】大山康晴名人「ワシは強い者が好きだ」 A級から一度も落ちなかった鉄人 (1/2ページ)

★大山康晴(1)

 故大山康晴十五世名人を表すのに、「鉄人」という言葉ほどピッタリするものはないと思う。

 名人位に就くこと、一位の18期。タイトル獲得数は羽生善治棋聖に次ぐ(昔はタイトル戦の数も少なかった)80期で、棋戦優勝44回という抜群の成績を残している。

 しかし私がそれ以上に不滅と思うのは、69歳で亡くなるまで、順位戦のA級にいたことだ。

 A級は名人戦の最終予選とも言えるリーグで、定員は10名。1年かけた総当たりで、優勝者が名人戦の挑戦者、下位2名が降級となる。ここを生涯一度も落ちなかったのである。

 現代を見ても、羽生世代と言われた6人で長期間タイトルを独占し、合わせてA級に100期以上いた、森内、佐藤(康)、丸山、郷田、藤井(猛)らの鉄の壁軍団も、40代後半の今、A級から一度も落ちていないのは、羽生一人になってしまった。その羽生でさえ、あと20年以上、A級に留まるのは、容易でないだろう。

 とはいえ大山も、若手の時代から、断トツだったわけではない。兄弟子には升田幸三実力制第四代名人がいたし、関東には(大山は当時関西)同年代に松田茂役九段がいた。

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