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【昭和のことば】作者は11歳の少女、瞬く間に人気の作品となった「欲しがりません 勝つまでは」(昭和17年) (1/2ページ)

 この有名なことばは、大政翼賛会、新聞各社(朝日、東京日日、読売)などが主催し、太平洋戦争1周年を期に公募した標語の入選作品である。

 この標語の作者は、東京市麻布区の国民学校5年、11歳だった三宅阿幾子さんで、入選10編中の一作だったにもかかわらず、少女らしい情感が評価され、瞬く間に人気の作品となった。

 銀座、新宿など、盛り場のいたるところにこの標語のポスターが貼られ、戦時下の消費節約を呼びかけた。

 この年の主な事件は、「味噌・醤油切符制配給実施」「愛国婦人会、国防婦人会などを統合し、大日本婦人会発足」「東京に初の空襲警報発令」「第1回芸術院賞発表(高村光太郎『道程』など」「第21回総選挙(翼賛選挙)」「寺院の仏具・釣り鐘など、強制供出の命令」「ミッドウェー海戦。日本大敗し戦局の転機に」「アメリカ海兵一個師団、ガダルカナル島に上陸」「警視庁、東京の不良青少年を一斉検挙開始」「大本営、ガダルカナル島撤退を決定」など。

 この年の映画は『マレー戦記』『父ありき』。本は芹沢光治良『巴里に死す』、小林秀雄『無情といふ事』、真鍋良一訳・ヒトラー著『我が闘争』。銑鉄生産高は戦前最高を記録。この頃、労働者の欠勤、怠業、徴用工の逃亡などが顕著になってきた。

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