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したたかなプーチン氏、平昌五輪を政治利用 IOC決定受け入れと大統領選への思惑

 ロシアのプーチン大統領は6日、国際オリンピック委員会(IOC)が同国の組織的なドーピングを認定し、来年2月の平昌冬季五輪から選手団の除外を決めた問題で「ロシアにも一部悪いところがあった」として、ロシア人選手の個人資格での参加を「政権が邪魔することはない」と容認する姿勢を示した。一部にあったボイコットの可能性は、事実上なくなった。

 予想外の展開だ。国のドーピングへの関与を一貫して否定してきたロシアにとって、処分は受け入れがたいものとみられていた。国旗を使用できないことにはプーチン大統領が「ロシアへの侮辱」と11月に発言し、レベジェフ下院副議長は「五輪を完全にボイコットすべきだ」と訴えていた。

 ところがプーチン大統領は意外にあっさりと、この決定を受け入れた。

 背景には来年3月の大統領選がある。プーチン大統領はこの日、西部のニジニ・ノブゴロドにある自動車工場で従業員が参加する集会に出席。来年3月に行われる大統領選挙に「立候補するつもりだ」と明かした。

 国内では依然高い支持率を誇っており、事実上、信任投票になる見通しだが、2014年のクリミア半島併合を受けて欧米からの制裁が続き、国内経済は低迷。野党勢力がプーチン政権を批判するデモを開いてきた。

 このため大統領選では前回(2012年)を上回る投票率と得票率を獲得して圧勝し、基盤を固めたいところ。理性的な判断で、自国選手の個人参加を認めてガス抜きをはかるのが得策と考えたようだ。

 「ドーピング問題はプーチン大統領のロシア国内支持を強化する。IOC、欧米諸国から攻撃を受けていることを強調することで、ロシアの危機をあおって支持は盤石になる」とロイター通信。プーチン大統領には追い風のようだ。

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