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【大前研一 大前研一のニュース時評】賓客の「同性パートナー招待」議論 自民・竹下亘氏「言わなきゃよかった」…日本の政治家は常識教育から始めろ (2/2ページ)

 私が経営コンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニーに勤めていた当時、「夫婦でいらしてください」というパートナー参加の会議の招待状には「スパウス(配偶者。女性社員のパートナーは夫)またはファンクショナリ・イクイバレント(機能的同等の者)」と書かれてあった。それがもう30年以上前のこと。男性同士で参加していた人もいた。

 そんな状況なのに、竹下氏は「言わなきゃよかった」というコメントも含め、反省しているとは感じられなかった。こうした政治家の失言が後を絶たない。政治の世界では、企業のように教育で改善するということはない。自民党だけでなく、ほかの党も党員の「常識教育」をまったくやっていない。自民党は戦前の修身教育に匹敵するカリキュラムに熱心だが、自分たちの仲間の常識教育から始めてもらいたい。

 かつて自民党の派閥が強かった時代には、派閥の勉強会があって、そこで若手議員が教育されていた。だが最近は、熱心なのは資金集めの勉強会だけ。企業で20年ぐらい仕事をしていれば一般的な常識というのは身につくものだが、家業が政治家という人にはそんな機会もない。

 われわれはそういう人たちを国会に送り込んで、日本の運命を決めようとしている。本来であれば、選挙民が「その程度の人」を選ばないようにしなければいけないのだが、先の衆院選では山尾志桜里さんも小渕優子さんも再任されている。ほかにも、「その程度の人」はけっこう再任されている。

 日本の政治はひどい、と思っていたら、英国でもパワハラ、セクハラで次々と議員がクビになっている。選挙期間中にセクハラを受けた、と10人以上の女性が実名で名乗り出ていたトランプ氏も堂々とアメリカの大統領になっている。どの国も、政治家に対する選挙民の監視の目があいまいになっているということなのだろう。

 ■ビジネス・ブレークスルー(スカパー!557チャンネル)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。

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