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【一服啓上 島田雅彦】國分功一郎さん、「暇と退屈」は自分と向き合う時間 たばこを吸いながらボーっとは必要 (2/2ページ)

 國分 信頼関係をうまく築かないとダメですね。そうして、まずは自分自身と上手に向き合わせることが大事です。私は「暇と退屈」について研究していますが、ハイデッガーという哲学者が著書の中で、パーティーで葉巻を勧められ吸っていると、いつの間にか自分というものがなくなり、付和雷同となって暇と退屈の中に埋もれてしまうと言っています。実はそれとは真逆の、そういう時間こそ焦りがないので正気でいられるとも言っている。ハイデッガーは前者の否定論を選んでいますが、私は後者の肯定論をとりたい。たばこを吸いながらボーっとしている時間は、自分と向き合うために必要なんだと。

 島田 古くはカントも、朝はたばこと紅茶で始まり、毎日決まったコースを散歩するという、“規則正しい暇と退屈な時間”を過ごし、それを思索の支えにしていたようです。

 國分 たばこの時間が増えれば、それだけ自分と向き合う時間も増えるということですよね。 (続く)

 ■國分功一郎(こくぶん・こういちろう) 1974年千葉県生まれ。早稲田大学卒業後、東京大学大学院修士・博士課程、パリ第10大学DEA課程等を経て、2011年より高崎経済大学准教授に。学派は大陸哲学、スピノザ主義、ドゥルーズ派、一元論など。「中動態の世界」「暇と退屈の倫理学」ほか著書多数。

 ■島田雅彦(しまだ・まさひこ) 1961年東京都生まれ。東京外語大ロシア語学科卒。83年「優しいサヨクのための嬉遊曲」で小説家デビュー。2003年法政大国際文化学部教授に。「ニッチを探して」「傾国子女」「暗黒寓話集」「カタストロフ・マニア」ほか著書多数。

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