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【菊池雅之 最新国防ファイル】北ミサイルから国民守る最後の砦 PAC-3機動展開訓練、屈強な隊員あってのハイテク技術 (2/2ページ)

 両基ともキャニスターを立ち上げ、いつでも撃てるようにと空へと向けられた。PAC-3は従来のパトリオットミサイルに比べ、小型化しているのだ。1本のキャニスター内に4発装填(そうてん)されている。

 日本政府は、弾道ミサイル防衛強化として、地上配備型の弾道ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の導入を決めた。こちらはイージス艦やPAC-3のように、機動展開することなく、同じ場所から常時監視することが可能だ。日本列島内2カ所に設置すれば、丸ごとカバーできる。秋田県と山口県が候補に挙がっている。

 空自の早期警戒機などとリンクし、最新ミサイルであるSM-6とともに用いれば、水平線以遠の巡航ミサイルや敵艦艇にも対処も可能だ。こうした防空体制を統合防空ミサイル防衛(IAMD)と呼ぶ。

 北朝鮮が、次にいつ弾道ミサイルを発射するかは誰も分からない。また、中国海軍がいつ南西諸島部へと侵攻してくるかは分からない。備えは完璧にしておく必要がある。

 ただし、ハイテクな最新装備だけをそろえていっても意味はない。吐く息も白い寒空の下で、こうして実直に訓練を重ねている隊員たちがいなければ役に立たないことも忘れないでおきたい。

 ■菊池雅之(きくち・まさゆき) フォトジャーナリスト。1975年、東京都生まれ。陸海空自衛隊だけでなく、各国の軍事情勢を取材する。著書に『こんなにスゴイ! 自衛隊の新世代兵器』(竹書房)、『ビジュアルで分かる 自衛隊用語辞典』(双葉社)など。

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