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【高橋洋一 日本の解き方】誤解だらけの「水道民営化」 外資乗っ取り懸念は杞憂だ、競争力はあり選択肢も広い (2/2ページ)

 昨年3月に水道法改正が閣議決定されたが、その後、廃案になった。それを政府は巻き返そうとしている。水道の民営化に批判的な人は、国民の資産である水道施設が外資に乗っ取られて、外資が営利目的の商売で潤い、国民は高い水道料金で不利になると懸念する。

 しかし、あくまで運営権の民間譲渡なので、資産の譲渡は含まれない。批判の根拠とする海外事例も極端なものばかりだ。

 実は、水道の民営化は欧州で歴史がある。現在も5~6割以上で民営化されている。さすがにそこまで民間比率が高くなると、変な民営化の事例もなくはないということだ。

 日本の場合、民営化の例は、ほぼゼロからのスタートなので、水道料金規制の下で民間業者選定を行っても、現状よりマシになるケースは少なくないだろう。日本の場合、水道サービスの供給範囲が必ずしも大きくなく、規模の経済を十分に発揮していない。さらに、地方で営んでいる水道公営事業体は国際展開も視野に入れるなど、かなりの競争力がある。それを特殊会社化しても「民営化」であるので、「民営化」にあたっての選択肢はかなり幅広い。

 こう考えてくると、わざわざ外資に依存しなくても、日本の水道事業の「民営化」を当面進めて問題はないだろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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