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北の思惑通りに動く韓国 平昌五輪ならぬ“平壌五輪”に (2/2ページ)

 北主導のシナリオに乗るばかりの文政権の姿勢には韓国内でも困惑が広がった。アイスホッケー女子で韓国側が合同チームを提案したことには、韓国代表のカナダ人監督が「北朝鮮選手を起用しろという圧力がないことを希望する」と吐露した。

 もちろん、“平和の祭典”に参加することが北朝鮮の核・ミサイル放棄につながるならば、意味のあることだろう。しかし、元朝日新聞ソウル特派員でジャーナリストの前川惠司氏は、むしろ逆のシナリオを懸念する。

 「五輪成功という成果を前に浮き足立つ文氏の足元を見て、北側が“土壇場で不参加”をちらつかせながら、様々な譲歩を求めてくる可能性がある。すでに北朝鮮代表団の滞在費用を韓国側が負担することについて、“制裁違反”にあたるかもしれないと指摘されている。今後、北側は金銭的支援など様々な要求を突きつけてくるのではないか」

 それが金正恩体制を今のまま永らえさせることにつながりかねないわけだ。

 そもそも日韓の緊迫化と南北の接近が同時に起きたことも偶然とは思えない。2017年5月の大統領選の際、日韓合意の破棄を主張した元慰安婦の支援団体「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」は親北団体として知られ、代表の夫と妹が北のスパイ事件への関与を疑われ有罪判決を受けた過去がある。

 慰安婦を巡って日韓が仲違いすれば、制裁を課す近隣国の足並みが乱れることにつながり、北朝鮮にとって都合がいいことは確かだ。

 「北側の思惑通りに文氏が動いてしまっている現在の状況は、平昌五輪ならぬ、“平壌五輪”とでも呼びたくなる。肝心の安全保障問題で何一つ譲歩を引き出していないのに、あたかも融和ムードが解決につながるかのように勘違いしている」(ジャーナリストの室谷克実氏)

 ※週刊ポスト2018年2月2日号

NEWSポストセブン
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