記事詳細

【ニュースの核心】安倍首相が訪韓で「在韓邦人退避」要求、「人間の盾」阻止へ (2/2ページ)

 日本は有事となれば自衛隊機や護衛艦、輸送艦などを韓国に送り込んで、大規模な邦人退避活動を展開する方針だ。ところが、韓国が自衛隊の上陸や着陸、接岸に応じなければ、計画は水の泡になってしまう。

 言うまでもなく「邦人の安全確保」は政権の最重要課題である。今回の訪韓は事務方に任せず、安倍首相が現地に乗り込んで直接、文氏に了解を迫る、いわば「背水の陣」で臨む機会なのだ。

 この問題は、文政権の本質を見極めるリトマス試験紙でもある。もしも文氏が断るなら、在韓邦人を「人間の盾」に使って米国の攻撃を阻止する思惑が隠れている、とみていいだろう。

 文政権は平昌五輪の女子アイスホッケーで北朝鮮を優遇し、南北合同チームを編成した。慰安婦問題では日韓合意見直しに動いた。一連の動きは、韓国が「北朝鮮包囲網からの離脱」を模索しているように見える。

 そう考えれば、邦人退避問題でも韓国が日本の要請を拒む可能性は十分にある。

 邦人退避に協力しないのであれば、文政権の「親北容共路線」がいよいよはっきりする。そうなら、日米はそれを前提として、今後の対応を考えなくてはならない。

 安倍首相は訪韓で、慰安婦問題と北朝鮮の「核・ミサイル」、さらに邦人退避問題で文政権に毅然とした態度を示すべきだ。ここは日本だけでなく、米国にとっても正念場である。

 ■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。東京新聞論説委員。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革推進会議委員などの公職も務める。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。最新刊に『ケント&幸洋の大放言!』(ビジネス社)がある。

zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう

関連ニュース