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金正恩氏の対話攻勢に影を落とす「女子大生拷問」の暗い過去 (1/2ページ)

 北朝鮮の金正恩党委員長は12日、平昌冬季五輪に合わせ韓国を訪問した妹の金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党第1副部長ら高位級代表団と面会。韓国側の受け入れ姿勢に満足と謝意を示すとともに、今後の南北関係の改善を指示した。

 昨日の本欄でも指摘したとおり、今回は金正恩氏にとっても「賭け」だった。金与正氏を、祖父・金日成主席から始まる「白頭の血統」の一員として初めて韓国に送り込み、文在寅大統領に訪朝を促すメッセージを伝えたのだ。これで断られたら、「次」はないのだ。

 (参考記事:金正恩氏の「妹だのみ」に透ける、ある深刻な裏事情

 文在寅政権が金与正氏らを歓待したことに、金正恩氏は心からホッとしたのではないか。

 しかし、金正恩氏の勝負はこれからである。今後、北朝鮮と米国の間で、韓国を巡る綱引きが始まるのは明らかだ。米国は文在寅政権に対し、核・ミサイル問題での毅然たる態度を求め、北朝鮮から非核化の意思表示がない以上、平昌冬季五輪のために延期した米韓合同軍事演習を即時実施することを主張するはずだ。

 演習が行われたら、金正恩氏は立つ瀬がなくなるかもしれない。グッとこらえて文氏を平壌に迎える手もあるが、そうなったら韓国側に特大の手土産--たとえば開城工業団地の即時再開のような--を期待せざるを得なくなるが、国連安全保障理事会の対北制裁決議が全面的に効力を持っている間は難しい。

 しかし何といっても、決め手は韓国世論だ。民主主義国家は、世論を無視しては動くことはできない。

 そして韓国では、文在寅政権発足後初めてとなる統一地方選挙(6月13日投開票)が控えている。地方選ではあっても、南北関係が重要なテーマとなるのは間違いない。ここで与党・共に民主党が勝てば文氏は大手を振って北朝鮮に行くだろうし、負ければ大胆な決断を下せなくなるかもしれない。

デイリーNKジャパン
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