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【警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識】台湾の大地震はひとごとではない 南海トラフ地震と同じ海溝型、耐震基準引き上げ前の建物の多さ (2/2ページ)

 日本の気象庁の震度階は95年の阪神淡路大震災後、震度5と6にそれぞれ強弱を分けて、合計10段階になっている。台湾ではこれらの強弱はなく、8段階だ。

 一方、世界の多くの国では「国際震度階」を使っている。これは12段階で、日本の震度階とは違う。地震としての大きさを表すマグニチュードは国によらず共通だが、震度はその場所での揺れの強さを示す数値で、国によってスケールが違う。

 もともとは日本の植民地だった台湾と朝鮮に日本の震度階を「押しつけ」た歴史がある。このため、台湾と韓国は戦後も長らく、日本と同じ震度階を使っていた。

 だが韓国は2001年に日本式の震度階をやめて1から12までの12段階の国際震度階にした。国際震度階はメルカリ震度階とも言われ、1884年にイタリアの火山学者ジュゼッペ・メルカリによって考案されたもので多くの国で使われている。

 つまり、0から7までの日本と台湾の震度階は、世界では日本と台湾だけになってしまったのである。

 1999年の大地震のあと、台湾では耐震基準を引き上げた。しかし、それ以前に建てられたビルは地震に弱いままだ。今回の地震で傾いてしまったビルは、いずれも耐震基準の引き上げ前に建てられたものだった。

 大地震が起きてから建築基準法が強化されたのは日本も台湾と同じだ。日本は95年の阪神淡路大震災で建築基準法を強化した。だが、それ以前の建物が多く残っていることは台湾と同じだ。日本にとってはひとごとではない。

 ■島村英紀(しまむら・ひでき) 武蔵野学院大学特任教授。1941年、東京都出身。東大理学部卒、東大大学院修了。北海道大教授、北大地震火山研究観測センター長、国立極地研究所所長などを歴任。著書多数。最新刊に『完全解説 日本の火山噴火』(秀和システム)。