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寂しげに帰国する北朝鮮美女たちの行く先 (2/2ページ)

 そんな平壌高麗館の行く先に暗雲が立ち込めたのは、2016年2月のことだ。

 韓国の朴槿恵政権(当時)は、北レスの収入が核開発やミサイル開発に使われる可能性があるとして、自国民に利用自粛を呼びかけた。これにより北レスには閑古鳥が鳴くようになってしまった。

 また昨年9月、国連安全保障理事会は、北朝鮮企業との合弁事業を禁じる内容を含む制裁決議2375号を採択した。それを受けて中国商務省は、国内の北朝鮮系の合弁企業などに対して今年1月9日までの閉鎖を命じた。

 その期限まで持ちこたえられなかった平壌高麗館は、昨年11月にひっそりと店を閉めていた。かつて100店舗もあった中国国内の北レス店舗網は、中国人オーナーが経営する一部を除いて、その多くが姿を消したもようだ。

 これにより北朝鮮の外貨収入が減るのはもちろんだが、金正恩体制にとって、問題はほかにもある。

 海外の自由な空気に触れた大量の人々が、一度に帰国することだ。北朝鮮当局が、海外情報の流入を厳しく統制してきたのは周知のとおりだ。

 (参考記事:北朝鮮が女子高生を「見せしめ」公開裁判にかけた理由

 当然、帰国した人々への監視は強化されるだろうが、いかんせん数が多すぎる。国内で、これまでにはなかった情報が出回るのは避けられないだろう。

 そして帰国者の中には、そうした閉塞感に耐えられず、トラブルを起こしたり脱北を試したりする人も出てくるかもしれない。米国との対立激化を受けて国内の団結をはからねばならないときに、そうした動きは思いもかけぬ波紋を呼ぶ可能性もある。

 国際社会の対北制裁の目的は、一義的には経済的に締め上げて核兵器開発を困難にするというものだ。しかしそれとはまったく違うところで、意外な効果を生む可能性もある。

 (参考記事:亡命した北朝鮮外交官、「ドラゴンボール」ファンの次男を待っていた「地獄」

デイリーNKジャパン
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