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【富坂聰 真・人民日報】ナンバープレート目当てのEV人気 飽和近づき、未来に暗雲も (2/2ページ)

 その時の印象で気になったのが、「官」と「民」で見通しに大きな差があったということ。

 非常に強気で前向きだった各EVメーカーに対して、監督官庁の官僚たちは、概して冷めた見方をしていたという構図であった。

 EVメーカーが前途を信じていたことについては、それほど説明の必要はないだろう。気になるのは官の冷め方だ。

 例えば、中国汽車工業協会--そう聞けば日本人はメーカーの集まりを想像するかもしれないが、中国では官僚組織である--の関係者だ。

 その人物は、はっきりと「2020年の時点でもう一度EVシフトを見直す可能性」にも言及しながら、こう語った。

 「少なくともEVの需要は都会にしかない。その都会で最もネックになるのは充電の不便さ。これを補うとすればナンバープレートの入手のしやすさ。そのメリットがなければEVを選ぶ消費者は少ない」

 そのナンバープレートが飽和すればどうなるのか。

 現状、北京では2018年から20年の3年間の自動車登録数の増加上限を30万台に設定している。

 これは毎年10万台の増加となることを意味しているが、うちEVの割り当ては4割。この計算によればもはや18年の枠はいっぱいだということ。

 つまり20年を待たずに、何らかの決断をすべき状況だということだ。

 ■富坂聰(とみさか・さとし) 拓殖大学海外事情研究所教授。1964年生まれ。北京大学中文系に留学したのち、週刊誌記者などを経てジャーナリストとして活動。中国の政・官・財界に豊富な人脈を持つ。『中国人民解放軍の内幕』(文春新書)など著書多数。近著に『中国は腹の底で日本をどう思っているのか』(PHP新書)。

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