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【国防最前線】政府は部隊・装備の必要性示せ 100%安全な乗り物なし、事故があればひたすら謝罪では… (2/2ページ)

 一方、米軍機による事故も多発している。米政府監査院などは「訓練時間の不足」「部品が間に合わず整備不良になっている」といった調査結果を公表している。第7艦隊や海兵隊、空軍も、同様の結果となっている。原因は、オバマ政権時代の大幅な予算削減であることは明確なようだ。

 朝鮮半島危機や南シナ海で中国の活動が活発化していることで、警戒・監視の実任務が増えているのに、人や部品が足りないという。

 同じことが自衛隊にも起きている。今回の事故原因と結びつけることは避けたいが現実である。

 佐賀の墜落現場では、自衛隊による機体の回収が続けられている。いつものような災害派遣ではなく、「加害者」となった自衛隊にお礼を言う人もいない。田畑も私有地であれば所有者を探し、お願いすることから始めなくてはならず、途方に暮れる作業だ。

 だが、もし予算不足と任務増加が、日米ともに事故多発につながっているとしたら、彼らは「被害者」である。無意識の加害は他にもあり、航空機が予防着陸すると騒ぎ立てられるが、それに躊躇(ちゅうちょ)して事故になったら、誰が責任を取るのか?

 そうならぬよう、政府には「謝罪よりも必要性の説明」を求めたい。

 ■桜林美佐(さくらばやし・みさ) 防衛問題研究家。1970年、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒。テレビ番組制作などを経て著述業に。防衛・安全保障問題を研究・執筆。著書に『日本に自衛隊がいてよかった』(産経新聞出版)、『自衛官の心意気-そのとき、彼らは何を思い、どう動いたか』(PHP研究所)など。

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