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【国防最前線】トランプ政権「鼻血作戦」の落とし所、懸念される大統領の政治的判断基準 (2/2ページ)

 軍事的な解釈上は、現時点での北朝鮮への攻撃はまだ困難だ。北朝鮮が米本土や、その極めて近くにICBM(大陸間弾道ミサイル)を発射するようなことになれば、自衛権を行使した武力行使は可能となる。

 だが、ミサイルや核実験をしている段階での武力行使は、国際社会の賛同や法的根拠は得られないと思う。逆に言えば、北朝鮮は攻撃を受けるギリギリのところで「交渉のチャンス」を待ちたいはずだ。

 私がトランプ氏の頭の中を懸念しているのは、今年11月に政権の信任が問われる中間選挙を控えているため、「何もしなかった」という烙印(らくいん)を押されたくないと焦ることだ。

 その活路を軍事攻撃に求める場合、韓国や在韓外国人の被害などの大きなリスクがある。かといって、「北朝鮮の核容認」となれば、世界や日本にとって、もっと大きな危険を伴う。

 これらのことを、日本としては諭し続け、「圧力路線のさらなる徹底」を求めるしかない。

 ■桜林美佐(さくらばやし・みさ) 防衛問題研究家。1970年、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒。テレビ番組制作などを経て著述業に。防衛・安全保障問題を研究・執筆。著書に『日本に自衛隊がいてよかった』(産経新聞出版)、『自衛官の心意気-そのとき、彼らは何を思い、どう動いたか』(PHP研究所)など。

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