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金正恩氏を「がっかり」させた北朝鮮兵士を待ちかまえる悲惨な運命 (2/3ページ)

 北朝鮮の道や市、郡の境界線には、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)護衛司令部や首都警備司令部、または国家保衛省(秘密警察)が管轄する10号哨所、人民保安省(警察)が管轄する哨所など様々な検問所が存在する。

 そこを通るには旅行証が必要だが、平壌市に入る場合にはさらに面倒な手続きが必要だ。平壌市人民委員会(市役所)の2部(移動関連部署)から承認番号を受け取り、それを居住地の人民委員会の2部に提出して旅行証や出張証明書などを受け取り、10号哨所に提示してようやく平壌入りが認められる。

 そんな面倒を避けるために欠かせないのがワイロというわけだ。「ソビ車」と呼ばれる個人経営のバス、トラックは各地の哨所にワイロを定期的に払っており、比較的自由に通行できることがメリットだ。治安維持と住民統制が目的のはずの北朝鮮の検問所は、事実上の料金所と化してしまっているのだ。

 本来、軍関係の車両なら問題なく通過できるはずだが、パク上級兵士は酔っ払っていたせいか、相手が何者であるか気づかなかったようだ。上官に対する暴行だけでもかなりの犯罪だが、さらに問題になったのは、この車両が「国家緊急文書」を運んでいたことにあった。中身は明らかになっていないが、金正恩氏宛ての秘密報告書だった可能性もある。

 翌日になってこの事件の報告を受けた金正恩氏は、革命武力の伝統を著しく毀損した事件であるとして、軍事刑法で厳重に処罰せよという方針を下した。同時に、護衛司令部のみならず国境警備隊司令部に対しても「鉄のように硬い規律と軍機を確立することについての執行計画書を提出せよ」と指示を下した。

デイリーNKジャパン
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