記事詳細

【警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識】爆発的に増加する“人為的”地震 シェールオイルなど資源採掘で発生 (2/2ページ)

 水圧破砕法による掘削が盛んに行われてきた米国オクラホマ州では、以前は比較的地震が少なかった地域で年間数百回もの小規模の地震が起きている。2009年までは100回以下だった地震の発生数が、14年の1年で600回近くに、15年には907回にまで跳ね上がった。

 同州では11年に、M5・6の地震が発生した。同州では過去最大規模の地震で、煙突が倒れるなどの被害が出た。この地震で訴訟も起きている。

 従来の方法でのシェールオイルの採掘に限らない。最近では二酸化炭素注入技術が普及して、米国テキサス州西部で地震を起こしているのだ。

 地球温暖化対策として、大気中の二酸化炭素を地下に貯留する「温室効果ガス隔離政策(GCS)」が行われはじめた。米国だけではなく、日本を含む世界各国が動き出している。だが、地下深くに温室効果ガスを圧入することで新たなリスクが生まれている。

 テキサス州では04年から二酸化炭素を油井に注入するガス圧入法を採用し始めた。温室効果ガスを減らすだけではなく、二酸化炭素が溶け込むと石油が膨張して回収が容易になるという一石二鳥を狙った手法だ。しかしその直後から地震が増え始めた。

 このほか、この論文ではダムを作ったことで世界で167カ所、核爆発が起こした地震が22カ所、工事現場での地震も2カ所で確認されている。

 人間が地球に何かをすれば、それが地震という形で返ってくるのである。

 ■島村英紀(しまむら・ひでき) 武蔵野学院大学特任教授。1941年、東京都出身。東大理学部卒、東大大学院修了。北海道大教授、北大地震火山研究観測センター長、国立極地研究所所長などを歴任。著書多数。最新刊に『完全解説 日本の火山噴火』(秀和システム)。