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【高橋洋一 日本の解き方】裁量労働の労働時間は計れるか、本人も「分からない」のが実情 (2/2ページ)

 筆者の役人時代は、労基法の適用除外であったので、振り返ってみると「労働時間」という概念が乏しい仕事ばかりだった。一応、出勤時間と退庁時間は管理されていたはずだが、自分で記録した記憶はない。月末になると、「ハンコを下さい」と総務係の人が来るのでその人が適当にやっていたのだろう。

 役人の仕事といえば、国会答弁の作成、法案作成や海外制度の調査などである。ともに原稿書きであるが、かかる時間は人それぞれだ。速く作る者がより優秀で、労働時間が多いことは問題だともいえる。労働時間が成果に結びつかない典型的な仕事だ。残業手当もあったが、実際の残業時間とは関係なく、課に配分された予算に応じて、管理者が適当に職員に配分していたようだ。

 現在では事情が違っているかもしれないが、現役の役人に聞いても、あまり変化はないようだ。

 厚労省は国会対応などが最近増加しているが、その一方で人員は従来通りなので1人あたりの業務量は増えているだろう。

 もしそれで裁量労働者の労働時間の調査などという意味のない仕事をしているというのなら、働き方改革を行うべきなのはまずは官僚ではないのか。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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