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【富坂聰 真・人民日報】過剰反応する中国のナショナリズム 外国人優先の警察に批判殺到 (2/2ページ)

 まさに非の打ちどころのない対応だった。被害者は喜び、警察に対する感謝をSNSで叫ぶと現地メディアもこれをニュースとして取り上げたという流れだった。

 ところが、これがなぜか現地の人々の不評をかってしまう。

 曰く、「私が1年前に盗難されたバイクはどうなっているのか」「私の母親は銀行カードを盗まれているが、いまだ何の連絡もないままだ」「2014年に母の家に泥棒が入り42万元(約710万円)分の宝石が盗まれたが、その件は放置されたままだ」と警察に対するクレームが、やはりSNSで爆発したのである。

 そしてこのクレームはやがて、「外国人にばかり親切な警察」という批判へと変わっていった。

 騒動を機に過去に外国人の事件だけを優先的に解決した事例が次々と紹介され始める。

 例えば、浙江省ではパスポートを失くした外国人のために5トンのゴミを漁って見つけ出した南京の警察の美談がやり玉にあがり、「われわれはこんなに警察に親身になってもらったことある?」と批判するコメントがあふれた。

 そのあげくに出てきたのが、「100年前、われわれの国土はあれほど酷い蹂躙に遭った。そして100年後、何でこれほど卑屈に外国人の顔色を見ているのか」という言葉。

 中国人の持つ一面がよく分かるエピソードだ。

 ■富坂聰(とみさか・さとし) 拓殖大学海外事情研究所教授。1964年生まれ。北京大学中文系に留学したのち、週刊誌記者などを経てジャーナリストとして活動。中国の政・官・財界に豊富な人脈を持つ。『中国人民解放軍の内幕』(文春新書)など著書多数。近著に『中国は腹の底で日本をどう思っているのか』(PHP新書)。

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