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習近平氏、不気味な“沈黙”の思惑 終身独裁狙うも実際は内憂外患、国家分裂の危機 (2/3ページ)

 ただ、北京から「この1カ月ほど、習氏は震え上がっていた」という情報が漏れ伝わってきた。トランプ政権が1月に発表した「国家防衛戦略」(National Defense Strategy)の内容に驚愕したというのだ。

 同戦略は、習氏の中国を、米国の優位を覆そうとする「ライバル強国」の第一に掲げ、中国やロシアとの「長期的かつ戦略的な競争」が、テロとの戦いに代わる米国の最重要懸案であると強調していた。すなわち、「米中露の新冷戦時代」の幕開けを意味した。

 こうしたなか、習政権の足元はグラついていた。敵対する江沢民元国家主席派の粛清に次ぐ粛清や、軍幹部の強引な入れ替えなどの影響で、「この5年あまりで9回目」とされる暗殺未遂も報じられた。

 第1次習政権で試みた、「朝鮮半島を、南(韓国)から属国化していく戦略」も見事に失敗し、米軍の高高度防衛ミサイル(THAAD)は配備された。かつては「兄弟国」だった北朝鮮との関係も史上最悪で、「1000年の敵」呼ばわりされるまで悪化した。

 頼みの綱だったロシアとの関係も、中国政府が1月下旬、「(中国主導の広域経済圏構想)『一帯一路』構想に北極海航路を入れる」と発表したことで、プーチン大統領を激怒させてしまった。

 内憂外患の習氏だが、朝鮮半島情勢について、表向きは「米朝対話」を主張しながら、本音は大きく違う可能性が高い。「金王朝の崩壊」を狙っているはずの習氏が、それを察知する金王朝の核ミサイルや生物化学兵器の脅威にさらされているとすれば、トランプ政権が軍事オプションに踏み切ることを、内心で期待していてもおかしくはない。

 ただ、習氏のジレンマは、その先にある。

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