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【高橋洋一 日本の解き方】ベネズエラ仮想通貨発行の是非 背景に経済苦境や米の制裁、まともな国ならメリットも (2/2ページ)

 ベネズエラもソ連と全く同じ道をたどっている。石油依存でありながら、社会主義体制の下で経済が脆弱化しているのだ。そして、インフレ目標もない金融政策では、マネーを刷って財政収入に充てているが、ハイパーインフレとなって、経済の悪循環を招いている。

 今や、国際会計基準によるハイパーインフレの年率30%程度ではなく、経済学の定義によるハイパーインフレである月率50%、年率1万%のインフレにも近づいているとも言われている。

 この経済学でのハイパーインフレは、世界史上まだ56例しかなく、その半数が共産主義体制の崩壊に伴っている。旧ソ連を構成していた15共和国のほとんどでソ連崩壊時にハイパーインフレを経験した。

 その経済苦境は、米国による経済制裁で加速されている。マドゥロ政権の圧政と独裁を非難したものだが、ベネズエラ政府が新たに発行する国債や国営石油会社の債券などについて、米国民による取引を禁じる内容だ。そのような国の発行する仮想通貨は、新たな国際金融詐欺といわれかねない。

 仮想通貨は、資金トレースに優れており、資金取引コストも低くできる可能性がある。その技術を生かすには、まともな国で発行すれば、メリットがあるだろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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