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【高橋洋一 日本の解き方】裁量労働制「除外」の本音と建前 連合の顔色見て反対する野党、経済界の意向もある程度通る (2/2ページ)

 野党は、3分裂した民進党がそれぞれ連合の支持を得ようと裁量労働の拡大に反対している。というのは、残業上限規制はもちろん賛成だし、高度プロフェッショナル制度の対象が年収1075万円以上となって、対象者が4%程度と少ないことが誰の目にも明らかになったので、消去法として裁量労働の拡大反対を注力せざるをえなくなったからだろう。

 実は、現在の裁量労働の対象者は2%程度しかいない。仮に2業務を拡大しても、増える対象者は大した数にはならないだろう。しかも、厚労省の調査自体が怪しいものだったこともあり、安倍首相は、裁量労働を外す決断をした。この結果、高度プロフェッショナル制度と残業上限規制の2点セットで今国会に提出される見込みだ。

 欧米における労働法制適用除外対象者の労働者に対する割合は、米国で2割、フランスで1割、ドイツで2%程度といわれている。

 日本の高度プロフェッショナル制度が欧米並みとはいえないまでも、経済界の意向はある程度通り、労働上限規制が入ったので労働界のメンツも立ったというところだ。

 もともと経済界では裁量労働の拡大要求はそれほどでもなく、効果が限定的だったことも安倍首相の決断を後押ししたのだろう。18年度予算案の衆院通過にも支障が出てきた段階なので、野党へ一定の配慮をすることとなったわけだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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