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【忘れない、立ち止まらない 東日本大震災から7年】生活再建を妨げる「法律の壁」 復興“スピード感”失速、制度見直し柔軟な運用を (2/2ページ)

 本来の公営住宅は、住宅困窮者向けに低廉な家賃で住まいを提供するもの。このため、家賃算定に必要な世帯収入の超過基準は15万8000円と低めに設定されている。

 災害公住でもこの基準額は変わらず、共働きならすぐ「収入超過」認定されてしまう。すると入居当初3万円程度だった家賃が、4年目以降は8万円近くまで跳ね上がる。この高騰に耐えられず退去を選んだ被災者が出始めたため、岩手県は今年新たな減免措置を講じたが、「公平性の観点から」既存の枠を逸脱するような措置にはならなかった。

 月額16万円を下回る収入で家賃がその半分を占めたら、働き盛りの若い世代などほとんど住むことはできず、入居構成は高齢者らに偏っていく。自治活動の停滞が起こり、コミュニティーの崩壊が始まる。行きつくのは、そうした住宅団地が地域内にいくつも点在する未来だ。

 あと数年でハードの復旧が終わっても、そこに人が住まなければ「まち」にはならない。大規模災害は必ずまた起きる。いま被災自治体が直面する課題を踏まえて制度を見直し、柔軟な運用をできるようにすべきである。

 ■鈴木英里(すずき・えり) 1979年、岩手県生まれ。立教大卒。東京の出版社勤務ののち、2007年、岩手県大船渡市・陸前高田市・住田町を販売エリアとする地域紙「東海新報」社に入社。現在は記者として、被害の甚大だった陸前高田市を担当する。