記事詳細

【警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識】ほとんど報じられなくなったパプアニューギニアの大地震 地滑り地帯に注意 (1/2ページ)

 日本など諸外国ではほとんど報じられなくなってしまった大地震がある。

 パプアニューギニアで先月末に起きたマグニチュード(M)7・5の内陸直下型地震。2016年の熊本地震や、阪神淡路大震災(1995年)より大きい直下型地震だ。

 パプアニューギニアではオーストラリアプレートと太平洋プレートが衝突している。このため20世紀以来、M7・5クラスの大地震が13回起きた。

 今回の地震での一番の被害は、内陸部のあちこちで大規模な地滑りが起きたことで地形が変わり、多くの集落が孤立してしまったことだ。

 数百人規模の死者が出ているもようだが、首都ポートモレスビーから約560キロ離れた内陸で、治安の悪い地方で起きた地震でもあり、いまだに被害の全貌がつかめていない。現地からの情報では、2万人近くが飲料水の不足、感染症などの2次災害の恐れがあるという。

 また、各地で地滑りが川をせき止めて自然のダムができ、その「地震湖」がやがて決壊する恐れも大きくなっている。

 私はパプアニューギニアに地震と火山の観測に訪れたことがある。この国には800もの違う言語があるので、地震計を集落に置かせてもらうのにも、何段階もの通訳を必要とした。

 つい数十年前、近くの山にときどき登っていたある村の人たちが、はるか遠くの山の間にまたたく隣の集落の火を見て、星だと思っていたという。この地球上に、自分たち以外に人間というものが暮らしているとは、よもや思ってもいなかったのであった。

 この国は気温も雨の量も農業に適していたし、川や海には魚や貝が豊富だった。つまり、自給自足で暮らせる自然の恵みの多い国なのだ。険しい地形に区切られていたこともあり、この国では隣の村と交流する必要もなかったのだ。