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【高橋洋一 日本の解き方】需給ギャッププラス転換でも手放しで喜ぶのはまだ 早い財政・金融の手を緩めるな (2/2ページ)

 過去の現実のGDPは、適切でなかった政策を反映していることが多いので、日本経済の限界値にはほど遠い。このため、過去のデータに引きずられた潜在GDPの推計値は、実力より低い値になりがちだ。潜在GDPはあたかも天井のようにみえるが、実は、過去の傾向から導き出した数字であり、完全雇用でなくても達成できたものである。

 こうした観点からすると、内閣府が算出している需給ギャップがプラスになったからといって、手放しで喜ぶことはできない。これまでの需給ギャップと失業率の関係はかなり安定的である。つまり、需給ギャップがプラス方向になると、半年先の失業率が低下する。

 一方、筆者は、構造的失業率を2%台半ばと試算していることは、本コラムの読者であればご存じだろう。そこで、構造的失業率になるような需給ギャップを算出すると、プラス2%程度になる。

 ちなみに、需給ギャップは半年先のインフレ率とも安定的な関係がある。プラス2%の需給ギャップは、インフレ率2%に対応している。つまり、プラス2%程度の需給ギャップになれば、失業率はNAIRU、インフレ率はインフレ目標となることはかなり確実であり、日本経済にとってベストになる。

 需給ギャップがプラスになったからといって、財政政策と金融政策の手を緩めてはいけない。需給ギャップがプラス2%程度、失業率2%台半ば、インフレ率2%程度になるようにしなければならない。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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