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【高橋洋一 日本の解き方】日銀の「出口」主張する人は金融機関を忖度しているのか デフレ脱却を遠ざける愚策だ (1/2ページ)

 2期目に入る日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁体制をめぐり、金融緩和の「出口」を検討すべきだとする市場関係者やメディア、政治家は少なくない。彼らは何かを忖度(そんたく)してこのような発言をしているのだろうか。

 本コラムで繰り返し述べているが、金融政策の基本は、失業率をこれ以上下がらないNAIRU(インフレを加速しない失業率。筆者は2%台半ばと推計してきた)に、インフレ率をインフレ目標にするようにコントロールするものだ。

 失業率は2月で2・5%、インフレ率もようやく上がりだした。消費者物価指数(総合、対前年同月比)の推移をみると、今年2月までの6カ月で、0・7%から1・5%まで上昇してきた。「除く生鮮食品」「除く食品・エネルギー」でみても、それぞれ0・7%から1・0%、0・2%から0・5%へと上昇している。もっとも、今の段階では、まだその最適点に達していない。この意味で「出口」戦略は時期尚早である。

 しかし、一部の金融機関関係者からは、出口戦略を急げという意見も出てきている。それは、このまま超低金利が続くと、経営上困ってくるところもあるからだろう。どうも「出口」という人は、金融機関を忖度しているようだ。特に金融機関の色の付いたエコノミストが、金融機関がスポンサーのマスコミ番組に出た際に、その傾向が強い。

 金融機関の収益構造はシンプルだ。貸出金利や債券運用金利が運用利回りになり、預金金利が調達コストになる。収益は主として運用利回り、費用は調達コストと経費(人件・物件費)である。

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