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【高橋洋一 日本の解き方】陸自日報隠蔽問題のウラに、時代遅れのPKO国内議論 参加5原則の見直し急務 (1/2ページ)

 不存在とされていた自衛隊のイラク派遣部隊の日報が見つかったことが問題になっているが、問題の背景や責任はどこにあるのだろうか。

 日報をめぐっては、昨年3月に陸自研究本部(現・教育訓練研究本部)が発見していたのに、当時の稲田朋美防衛相や統合幕僚監部、内部部局などに報告しなかったという。これは開いた口がふさがらないほどひどく、言い訳のできない不祥事である。

 その当時の稲田防衛相の日報探索の指示が不明確だったとの報道もあるが、これは大臣指示を伝えた者の責任であり、稲田氏の落ち度とは言いがたい。

 この問題を筆者の知り合いの自衛隊OBに聞いてみたが、その感想は強烈だ。「あまりに政治家が空理空論を繰り返すので、あえて知らせなかったのだ」と。極端なことを言っているのかもしれないが、問題の本質の一面を反映しているとみることもできる。

 イラク日報の隠蔽が行われたのは、南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報の隠蔽が追及されていたときだ。

 そもそも、日本のPKO参加5原則((1)紛争当事者間の停戦合意の成立(2)紛争当事者の受け入れ同意(3)中立性の厳守(4)上記の原則が満たされない場合の撤収(5)武器の使用は必要最小限)は、今の国連のPKOの実態にはそぐわないものとなっている。

 国連のPKOには、ハッキリした定義はないものの、日本の5原則の中の「(3)中立性の厳守」はほとんど考慮されることなく、「不偏性」に変遷している。つまり、「中立性」は、国際人道法違反などの深刻な犯罪行為が行われている場面にはそれほどの意味がなく、「公平性」によって、時には特定勢力への加担も許容されるようなPKO任務を実施することが重視されている。

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