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【高橋洋一 日本の解き方】陸自日報隠蔽問題のウラに、時代遅れのPKO国内議論 参加5原則の見直し急務 (2/2ページ)

 こうした国際環境において、PKOが変化しているにもかかわらず、日本では、25年ほど昔の1992年に成立したPKO協力法当時の議論のままである。その当時ですら時代遅れといわれていたが、今では化石のようだ。

 今のPKOでは、迫撃弾が撃ち込まれることも珍しくない。それを日報に記載すると国会で問題になるというのなら、現場では記録として日報は書いても隠蔽する。これは現場を知らず国際的な常識も分からないで机上で議論する政治家たちへの「温情」だったと、この自衛隊OBは言いたいのだろう。

 だからといって、日報を隠蔽したことを正当化できないが、この自衛隊OBの気持ちも無視できない。

 自衛隊の一部であるとしても、日報を隠蔽させたくなるような背景があっては、結果として日本の国益を損なうことになる。たしかに、文民統制は重要であるが、統制するにも一定の国際常識や分別がないとまずいだろう。

 こうした意味において、今回のイラク日報の隠蔽の背景について、その根は深い。今の国際環境では、いつ有事になっておかしくないことから、しっかりと文民統制を確立する必要がある。関係者の責任を明らかにするとともに、PKO原則の見直しも急務だ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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