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【ぴいぷる】「人生のどん底」で見えた真のリーダー論 海上自衛隊元海将・伊藤俊幸氏 米海軍で語り継がれる伝説の「98年リムパック」 (1/3ページ)

 安全保障問題で何か起これば、メディアに緊急出演を求められる。3年前に退官してからも、自衛官時代さながらの多忙な日々を送っている。現在の本職は、金沢工業大学虎ノ門大学院教授で、リーダーシップ論を教えている。最近、『リーダーシップは誰でも身に付けられる』(アルファポリス)を上梓した。

 「どんな人でも、考え方を変えるだけでリーダーになれるんです」

 そのノウハウが惜しみなく盛り込まれ、組織で責任ある立場に就いたものの「自分には向いていない」と思い込んでしまっている人たちには勇気づけられる指南書だ。とりわけ、伊藤氏の潜水艦乗りとしての経験や艦長時代のエピソードから、多くを読み解ける。

 「艦艇の指揮官が発すべき言葉は『了解』と『待て』だけです」

 私(桜林)が海上自衛隊を知ったばかりの十数年前、すでに伊藤氏の名前は伝説になっていた。

 艦長として参加した1998年のリムパック(環太平洋合同演習)で、米軍の敵艦役として木っ端みじんにされるはずだった海自潜水艦が、たった1艦で強襲揚陸艦部隊全艦など15隻を撃沈してしまったのだ。

 その後、日本の「イトウ」の名は、米海軍にとって苦い経験の代名詞のようになったと聞く。ここまでの結果が出せたのは、良きフォロワー(部下)あってのことだったと分かった。細部は著書に詳しい。

 9・11米中枢同時テロの際は、在米国防衛駐在官として前例のない事態で奮闘し、広報室長時代は『亡国のイージス』映画化の立役者となる。こうした実績から「よほど志の強い生まれながらのエリートだろう」と思い込んでいたが、防衛大学校に入った当時はまったく別人だったようだ。

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