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【富坂聰 真・人民日報】米中の貿易摩擦は小手試しに過ぎず 最先端技術こそ対決不可避 (1/2ページ)

 前回に続いて、米中の貿易摩擦について取り上げてゆこうと思う。

 前の記事でも触れたように互いの輸出品に高関税をかけ合う姿勢を見せながら急激に対決のボルテージを高めたように見えた両国だったが、習近平国家主席のボアオ・アジアフォーラム(以下、ボアオ)での基調演説を機に、一気にトーンダウンしていったようだ。

 習氏は、「金融業と製造業の分野で市場参入を緩和する」ことを約束し、「輸入拡大措置」を打ち出している。

 この発言をもって「中国が白旗を上げた」とする見方があるが、実際にはそうではない。

 そのことは後に触れるが、まず知っておくべきことは、中国にとってアメリカから貿易不均衡を咎められることは、決して痛くないということであろう。

 そもそも世界の工場としての地位を確立した中国にはありとあらゆる国が工場を移転していて、それはアメリカも例外ではない。

 ゆえに、中国が積みあげる対米貿易黒字の多くはアメリカの企業によってつくられているという実態がある。自動車のGM、アップルのスマートフォンなどが典型だ。

 そうした深い関係があればこそ、中国が繰り返すように「両国にとって利益のない争い」となる。

 事実、高関税をかければアメリカ国民は物価の影響を受け、消費を楽しめなくなる。また消費を手控えれば景気が冷え込むという流れも避けられない。

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