記事詳細

【高橋洋一 日本の解き方】米長期金利上昇と為替相場 影響大きいのは実質金利差、円安にトランプ氏の政治圧力 (1/2ページ)

 米国で長期金利が一時3%を超えたことが話題になった。日米の金利差によってどのようなお金の流れになり、どんな経済への影響をもたらすのか。

 経済理論からいえば、米国の下限とされる失業率(NAIRU。インフレを加速しない失業率)は4%程度であるのに対し、3月の失業率は6カ月連続で4・1%と下限に近い水準に達している。

 3月のインフレ率(消費者物価)も2・4%で、インフレ目標を若干超えている。この意味で、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融緩和から金融引き締めの出口戦略をしているのは経済理論としては合理的である。

 米国の10年国債金利は3%程度と、過去10年間でみて一番高い水準に近づいている。この意味では、長期金利は上昇しているわけだが、名目経済成長率が2017年第4四半期で5・3%であることとの関係でみれば、まだ経済成長を阻害するほどには高くなっていない。

 一般的には、長期金利は名目経済成長率程度には上がっても不思議ではないが、現時点で長期金利はそこまで上昇していない。ということは、まだ成長余地が残されていると判断してもいいだろう。FRBの二重の責務とされる「物価の安定」と「雇用の確保」の観点からも何も問題はない。

 しかし、現実問題として、株式市場関係者が金利上昇をどうみるかは、別問題である。FRBは株式市場関係者の利己的な意見を考慮する必要がないものの、長期金利上昇で実際に株式市場がクラッシュしたりすると、大変なことになる。

zakzakの最新情報を受け取ろう