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【高橋洋一 日本の解き方】米のイラン核合意離脱の真意 北朝鮮の段階的非核化を牽制、大連会談が正恩氏の焦り露呈 (1/2ページ)

 トランプ米大統領は8日、2015年に米英仏独露中の6カ国、欧州連合(EU)とイランが結んだ核合意から離脱すると発表した。

 核合意は、イランが核兵器に転用できる高濃縮ウランなどを15年間生産せず、核燃料濃縮技術を制限しつつ、その見返りにイラン産原油の取引制限などを解除するというものだ。評価については、外交手段で核不拡散体制(NPT)の維持にとりあえず成功したと見方の一方で、イランの核開発に制限をかけただけで、継続できる点で不完全であるとの批判もあった。

 トランプ氏は、大統領選挙の公約としてイラン核合意の離脱を挙げていたが、ようやく実行した形だ。ここに至る流れを長期的な視点と短期的な視点から読み解こう。

 長期的に米国は中東への介入から徐々に手を引いていく。米国はシェールガスやオイルの生産によりエネルギー輸出国となった。エネルギー情勢を左右する中東だが、イスラエルを別にすると、米国にとっての安全保障上の意味合いは以前より低下している。

 短期的には、核合意から離脱しても、イランは欧州との関係で残留せざるを得ない、と米国は見越していた。欧州も対イラン投資などの思惑で簡単に抜けることができない。であれば、欧州とイランが当面、核合意を維持して、それらに委ねた方が米国の国益になるとトランプ氏は考えているのだろう。