記事詳細

【高橋洋一 日本の解き方】米のイラン核合意離脱の真意 北朝鮮の段階的非核化を牽制、大連会談が正恩氏の焦り露呈 (2/2ページ)

 さらに重要なことであるが、米朝首脳会談を控え、米国は北朝鮮に対して、恒久的・検証可能・不可逆的な非核化を求めている。そのため、イラン核合意は、そのような厳格な非核化に比べかなり生ぬるいものに見える。何しろ核開発に制限をかけているが、核そのものを禁止しているわけでないからだ。

 トランプ氏は、北朝鮮の段階的非核化を牽制(けんせい)するためにも、イラン核合意からの離脱で強気で押し通したのだろう。

 この動きは、現在水面下で米国と協議中の北朝鮮も当然分かっていたはずだ。7、8日に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は中国・大連で習近平国家主席と首脳会談を行った。3月の北京に続いて異例の2回目の会談だ。

 通常、首脳会談は交互に訪問するので、習氏が北朝鮮を訪問する番であるが、北朝鮮側の都合なのだろうか、再び正恩氏が訪中した。しかも、通常は列車であるが、飛行機で大連を訪れた。

 正恩氏はトランプ氏の厳格な非核化への態度にかなり焦っているのではないか。発表された写真では、正恩氏の表情の硬さがうかがえる。連日、北朝鮮の労働党機関誌において、圧力をかけるなと日米を非難しているのも、その表れではないか。

 会談で正恩氏は、段階的な非核化について習氏が支持してくれることを再び確認したかったのだろう。習氏も中国が北朝鮮の後ろ盾になって米国との仲介を果たすことは、中国の国益になると考えているはずだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)