記事詳細

【菊池雅之 最新国防ファイル】最大時速100キロ「威力偵察」の要 戦闘装甲車「87式偵察警戒車」 (1/2ページ)

 陸上自衛隊には、偵察隊という部隊がある。その名の通り、偵察活動を行うのが任務だ。上級司令部の目となり、作戦立案に必要な敵情報をつぶさに探る。その偵察隊に配備された唯一の戦闘装甲車が「87式偵察警戒車」だ。オートバイや小型トラックなど、打撃力を有さない装備で構成されている偵察隊には、欠かせない存在である。

 任務の中に「威力偵察」と呼ばれるものがある。これは、敵の戦力を探る方法として、あえてこちらから攻撃を仕掛けるというものだ。敵が誘いに乗って攻撃を開始すると、敵の方向、どのような火器や火砲を使っているかを確認する。

 偵察側もそれなりの打撃力を有していないと、当然危険が伴う。この威力偵察を行うため、87式偵察警戒車を配備している。なお、同じような理由から、ロシアやドイツなどにも、偵察部隊に装輪式の戦闘装甲車が配備されている。

 砲塔には、25ミリ機関砲が備えられている。スイスのエリコン社が開発した機関砲で、1分間に最大600発も射撃可能だ。敵戦車や装甲車と戦うための徹甲弾(=装甲を貫く専用の弾)の射撃も可能。同砲を日本製鋼所がライセンス生産している。

 このほか、砲塔上には74式車載7・62ミリ機関銃や、発煙弾発射機も装備されている。

 搭乗員は、車長、砲手、操縦手、偵察員2人の計5人。車内の偵察員は、ペリスコープやTVカメラの映像を見ながら外の様子を確認する。隊員は、前面にある各ハッチや、後部、そして車体右側の1輪目と2輪目のタイヤの間にある扉から出入りを行う。

zakzakの最新情報を受け取ろう