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【ここがヘンだよ!日本】海賊版サイトへの対抗策どうする? 懲罰的賠償導入の再考を (2/2ページ)

 著作権を侵害したビジネスは大きな経済的リスクを負うことになる。近年では知的財産を重視し始めた中国でも同様の制度が導入されている。

 日本でも2000年代前半に、知的財産分野の懲罰的賠償制度の導入が検討されたことがあった。この時は「日本では社会的制裁はあくまで刑事罰によって実現する」という建前があるため、却下されてしまった。

 ただ、現実には著作権侵害はあまりにも件数が多すぎるので、ほとんどが検挙されないまま放置されている。

 例えば、2015年の著作権侵害事犯は239件で、著作権に関する民事訴訟は119件に過ぎない。日本の約4倍の経済規模を持つ米国の同年の著作権関連訴訟件数は5076件もあり、これと比較すると日本の著作権関連の検挙・訴訟件数はあまりにも少ない。なお、わが国において著作権違反の被害がもっとも大きな業界は間違いなくAV業界であろう。

 前述の通り、日本では懲罰的賠償制度は過去に導入を見送られた経緯があるが、違憲の疑いすらあるブロッキングを導入するくらいならば、まずは知的財産違反への経済的リスクを高め牽制(けんせい)する意味でも、懲罰的賠償を導入することを本格的に再考すべきように思える。

 ■宇佐美典也(うさみ・のりや) 1981年、東京都生まれ。東大経卒、経産省入省。企業立地促進政策、農商工連携政策、技術関連法制の見直しを担当後、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)で電機・IT分野の国家プロジェクトの立案やマネジメントを行う。2012年9月に経産省を退職。現在、政策コンサルタントとして活躍する。著書・共著に『朝日新聞がなくなる日-“反権力ごっこ”とフェイクニュース』(ワニブックス)など多数。

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