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【富坂聰 真・人民日報】拉致でカード切り間違えた北朝鮮 2002年、小泉首相訪朝の際に失敗し… (1/2ページ)

 米朝は再び、6月12日のシンガポールにおける首脳会談に向けて軌道を修正したのだろうか。

 駆け引きに長け、外交巧者の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と、予測の付きにくい言動で世界に戸惑いを広げるトランプ大統領が向き合うのであれば、確たることは言いにくいのはしかたがない。

 だが、現状を見る限り、双方に条件面でのつばぜり合いが起きているものの、話し合いのテーブルに着くメリットは、米朝ともにある程度は共有していると見て間違いないのだろう。

 つまり、互いのメンツなのか、それとも会談で獲得できる利益なのか、いずれにせよ条件が整いさえすれば、“和解”は進展する可能性があるということだ。

 問題は、お互いが強い疑心暗鬼のなかで会談に臨まなければならず、事前に手の内を明かせるほどの信頼関係がないことだろう。

 私は、本連載の中で朝鮮半島に言及したさい、北朝鮮が中国に求めている役割について、「それは“通訳”だ」と説明してきた。

 例えば、会談を目前に北朝鮮の金桂寛(キム・ゲグァン)第一外務次官が「トランプ米政権が一方的な核放棄だけを強要しようとするなら、そのような対話にもはや興味を持たないだろう」と会談中止をにおわせたことも、中国や北朝鮮の外交に通じていれば、声のボリュームはそれほど高くないことが見て取れる。

 中国が仲介すれば、アメリカにそれを伝えられるのだ。

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