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【高橋洋一 日本の解き方】幼児虐待と児童相談所強化 予算つぎ込むだけでなく財源&権限の移譲が重要 (1/2ページ)

 東京都目黒区の5歳女児が虐待を受けて死亡した事件が問題になっている。児童相談所を強化するためにはどのような仕組みや予算が必要なのか。

 今回の虐待に関する報道で、女児が書き残したノートは涙なくしては読めないものだった。同時に目黒の事件なのに、なぜ品川の児童相談所なのかという素朴な疑問が湧いた人もいたのではないか。

 実は、児童相談所の運営は、都道府県単位となっている。政令指定都市については、都道府県から権限が委任されていたが、2004年の児童福祉法等の改正において、指定都市以外の児童相談所の設置を希望する中核市についても、設置できるようになった。さらに16年の児童福祉法等の改正により、新たに特別区も児童相談所を設置できることとされた。

 ただし、中核市や特別区については、市などからの要請を受け、事務遂行体制や、市と都道府県の連携体制等について支障がないことを国が確認した上で行うこととしている。

 特別区である東京23区は、やる気のある区長はいるが、実際には都がその権限を手放したくないようだ。

 児童虐待では、すぐ通報するなど個人でもできることはある。しかし、やはり先立つものは予算である。

 都の児童相談所数や人員を調べると、全国平均よりかなり見劣りしている。各都道府県の児童相談所数を、人口と面積で回帰分析すると、都は全国平均からみて児童相談所は4カ所ほど少なくなっている。また、児童福祉司の数も少ない。

 特別区ではなく都が児童相談所の運営をしていることが、児童相談所数と児童福祉司数の不足につながっているのではないだろうか。

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