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米韓演習中止で金正恩氏が「大喜び」する本当の理由 (2/2ページ)

 そのため例年、12月に中隊(約150人)規模の冬季訓練を開始し、1月にはこれを1,000人前後の大隊規模に拡大。2月に近づくと10,000人余りの師団規模となり、3月には30,000~50,000人の軍団規模になる。このように軍の動員規模を大きくしながら、いつでも戦える態勢を整えるのだが、慢性的な経済難の中にある北朝鮮にとっては、これが相当に大きな負担なのだ。

 北朝鮮が継続的に米韓合同軍事演習の中止を求めてきた裏には、このような事情がある。大規模な演習が抑止効果を生んでいるのも事実だが、じわじわと体力を奪われていく状況が、北朝鮮にとっては辛かったのだ。

 米韓がこれを止めれば、北朝鮮にはいくらかの余裕が生まれる。それでも、戦争遂行能力が一気に復活することはないだろう。朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の規律はメチャクチャであり、戦争を始められる状態ではない。

 (参考記事:北朝鮮女性を苦しめる「マダラス」と呼ばれる性上納行為

 ということはやはり、大規模な演習でガンガン圧力をかけるのを止めてもらい、「少しラクになりたい」というのが金正恩氏のホンネなのではないか。首尾よく中止を勝ち取ることができれば、金正恩氏はさぞや大喜びだろう。

 とはいえ、演習の中止が続けば、米韓同盟の作戦能力が相対的に低下するのは免れない。朝鮮半島で起きうる「混乱」は、戦争ばかりではない。米韓に慎重さが求められていることに変わりはないのだ。

デイリーNKジャパン
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