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【高橋洋一 日本の解き方】拉致問題解決に向けた戦略 軍事オプションなく茨の道、経済につけ込むのが得策だ (1/2ページ)

 日朝首脳会談の開催も取り沙汰されている。拉致被害者を取り戻すために日本が取り得る戦略として何があるのだろうか。

 2002年9月と04年5月にも日朝首脳会談が行われた。そのとき、外務省の事務方が努力したのは言うまでもないが、なぜ北朝鮮が日本に接近してきたかといえば、そのときも米国の圧力だった。

 02年1月、ブッシュ大統領が一般教書演説において、北朝鮮、イラン、イラクを名指しして「悪の枢軸(axis of evil)」と猛烈な非難を行った。対イラクではその後、戦争になった。なお、今回話題のボルトン大統領補佐官は当時、国務次官として「悪の枢軸」指定に関わっている。

 北朝鮮は、この米国の圧力から日本に助けを求めてきたというのが、日朝首脳会談への大きな追い風になった。今回もそれと似た状況になっている。北朝鮮は、圧力をかけないと動かない国であり、実際に圧力があると反応する国でもある。

 有名な話であるが、02年9月の日朝首脳会談では午前中、北朝鮮から謝罪なしで「拉致被害者8人死亡、5人生存」というメッセージが伝えられた。日本側は昼食を断り、休憩時に日本側の部屋が盗聴されていることを知りながら、小泉純一郎首相に同行した当時の安倍晋三官房副長官が、意図的に声を出し、「北朝鮮が拉致を認め謝罪しなければ会談を蹴って帰国しよう」と言ったら、午後の会議で拉致を急に認め謝罪したという経緯もある。

 今回、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長はトランプ大統領に、拉致問題を解決済みとは言わずに、オープンに話し合う用意があると伝えたという。

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