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【高橋洋一 日本の解き方】財務省に尻尾振る「債券村」のポチ 市場が国債発行催促も… 震災被害最小化には投資が必要 (1/2ページ)

 国債が品薄で取引が成立しない日が相次いでいると報じられているが、その実態はどうなのか。品不足であれば、国債を出して大阪での地震のような災害対策に使うべきではないのか。

 報道によれば、「取引が成立しない日は、去年は1年間で2日、今年はすでに5日と2倍以上に増えている」という。

 ただし、これは国債の取引を仲介する「日本相互証券」によるものだ。国債はこうした仲介なしで、金融機関間で直接取引されるものもあるので、取引がなくなったわけではない。

 実際に取引が少なくなっているのは事実だろう。その理由は、報道のとおり「日銀が大規模な金融緩和の一環として大量の国債を買い入れた結果、いわば品薄になっている」のだ。

 これに対して、専門家の意見は面白い。「取引が低調になると、財政悪化に対する市場の懸念が見逃されるリスクも出てくる」と報道されている。一般に財政悪化は国債を大量発行した際に起きることが多いのに、実際には品不足という滑稽さだ。

 報道でいう専門家とは、いわゆる「債券村」の人で、金融機関で債券を主として扱っている。一般的に景気が良くなると株式が上がり、悪くなると株式が下がる。しかし、債券はその逆である。

 これまでのデフレ期では、株式市場関係者はうだつが上がらず、債券市場関係者は収益を上げて金融機関を支えてきた。ところが、アベノミクスで株式市場が良くなり出すと、今度は債券がダメになった。