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【高橋洋一 日本の解き方】財政緊縮派とデフレ派の存在が、デフレ脱却の大きな障害に 国債発行と金融緩和が近道だ (1/2ページ)

 5月の消費者物価指数が17カ月連続でプラスとなったが、デフレ脱却に進んでいるのか。

 デフレについて、学問上の定義は単純で、「一般物価水準の継続的下落」である。国際通貨基金(IMF)などの国際機関では、一般物価水準は「GDPデフレーター」(消費者物価と企業物価を併せ持つ性格)、持続的下落は「2年以上」を使っている。

 そこで、GDPデフレーターの対前年増減率の推移をみると、1995年以降マイナス傾向になっていて、デフレになったのがわかる。正確に言えば、97年は若干のプラスであるが、その年を除き、2013年までマイナスだった。14年から、1・7、2・1、0・3と3年連続のプラスだったが、17年には▲0・2と再びマイナスに転じてしまった。

 この国際機関の定義に従えば、安倍晋三政権になってから、一時デフレを脱却しかかったが、18年のGDPデフレーター対前年増減率がプラスとしても、デフレ脱却したといえるのは19年以降ということになろう。

 もっとも、金融政策(マクロ経済政策)の目標は雇用を作ることであって、その場合に物価が上がりすぎないようにするためにもインフレ目標がある。

 この基本はマスコミなどでは理解されずに、単にインフレ目標が達成できていないから、リフレ政策は失敗だったとかの半可通な論調がいまだにあるのは残念だ。

 このインフレ目標の基本的な理解の観点からみれば、失業率が下限になって賃金が上がり出せば、その時のインフレ率が低いのはたいした問題ではない。賃金が上がり出せば、その後からインフレ率は上がるからだ。