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【釈量子 いざ!幸福維新】激化する通商戦争、米国の狙いは「中国の覇権拡大阻止」 (1/2ページ)

 米中間の通商戦争が激化しています。

 ドナルド・トランプ米大統領が、中国による知的財産権侵害への対抗措置として、ハイテク製品などの輸入品に追加関税を課す方針を発表すると、中国も、米国製品に追加関税を適用する考えを明らかにしました。

 トランプ政権は、重要技術を持つ米企業への中国からの投資を制限する方針とも報じられ、制裁と報復の連鎖が止まる気配はありません。

 米国の攻勢の背景に、中国の先端産業育成政策「中国製造2025」に対する警戒があります。

 中国は国家戦略として、ロボット工学や電気自動車、宇宙などの分野で世界を主導しようと、優秀な理工系人材を育成し、製造業に集中的に投じています。そのウラで、外国企業に対する技術移転の強要やサイバー攻撃などの不正慣行が後を絶ちません。

 中国の動きは、覇権主義に基づく経済的膨張にほかならない。米国の制裁関税や投資制限は、単に通商上の不均衡是正が目的ではなく、「中国の覇権拡大」阻止こそが核心とみるべきでしょう。「自由・民主主義vs国家社会主義」という価値観の対立が、根底にあるわけです。

 中国共産党が「国家的長期プロジェクト」と定める広域経済圏構想「一帯一路」にも、注意が必要です。

 スリランカのハンバントタ港に代表されるように、中国の高金利融資で港湾を整備し、債務返済が困難になれば、「借金のカタ」とばかりに、中国側に港湾の運営権を握られる-。同様の債務リスクは、インド洋の島国モルディブなど、複数の国が負っていると指摘されています。