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【国防最前線】自衛隊の構造を蝕む予算と人員不足 今のままでは国民の期待に応えられない (1/2ページ)

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 米朝首脳会談が終わっても自衛隊の活動に大きな変化はなく、北朝鮮のミサイルなどへの警戒・監視体制は変わっていない。航空自衛隊のPAC3(地対空誘導弾パトリオット)部隊は各地に展開したままで、防衛省内でも当たり前の光景だ。

 昨年夏、北朝鮮のミサイルが通過するとして、急きょ、PAC3を展開した島根、広島、愛媛、高知の各県の陸上自衛隊駐屯地なども、そのままになっている。当然、装備だけが置いてあるわけではなく、運用する人員がおり、お盆も正月も関係なく緊張感を維持することが求められてきた。

 SM3(海上配備型迎撃ミサイル)を搭載するイージス艦も同様である。休めないだけでなく、基礎的訓練が行えないという深刻な問題も出てきている。実任務の増加が練度の低下を招くことになってしまうのだ。

 しかし、これは安全保障環境が厳しくなったためだけではなく、人員が定員を下回っている状態で活動していることも大きな要因だ。

 米軍でも、オバマ政権時代に大幅に予算・人員を削減したことで、部品の供給や訓練時間がなくなり、事故が多発しているという報告が発表されている。自衛隊でも、これまでにない緊張に包まれた時代に差し掛かったことを考えれば、「予算の正常化」は焦眉の急だ。

 「予算増」と言うと、猛反発する向きがあるので、あえてこの言葉を使うことにした。繰り返しになるが、今の自衛隊の予算構造では国民の期待に応えることはできないと言っておきたい。

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