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【高橋洋一 日本の解き方】記録的な雇用改善の光と影 労働力人口と就業者は減少、数カ月は動向注視が必要だ (1/2ページ)

 5月の完全失業率は、前月比0・3ポイント低下の2・2%で、1992年10月以来の低い水準となり、4カ月ぶりに改善した。有効求人倍率も44年ぶりに1・60倍となり、正社員に限った求人倍率も1・10倍と過去最高を更新した。さらに5月の就業者数は6673万人(季節調整済み)に達し、比較可能な1953年以降で最多の水準となっている。

 失業率は、労働力人口に対する完全失業者の占める割合だ。完全失業者は労働力人口から就業者を引いたものであるので、失業率は、1から就業者数の労働力人口に対する割合を引いた数である。

 経済活動が盛んになるにつれて、働こうとする意思のなかった非労働力人口から、働こうとする労働力人口へのシフトがあるので、労働力人口は一般的に増加する。

 第2次安倍晋三政権発足直後の2013年1月に6576万人だったが、今年5月に6821万人と245万人増えた。

 経済が活発化すると、当然ながら働き手が必要になり、就業者数も増加する。同時期でみると、6297万人から6673万人と376万人増えた。

 経済が好調だと労働力人口より就業者数の増加が大きく、その結果、失業率が低下する。今回、記録的に低い失業率2・2%は、こうして達成された。

 この水準は驚きだ。本コラムの読者であれば、下限の失業率、つまりNAIRU(インフレを加速しない失業率)について筆者は2%台半ばと推計していたことを知っているだろう。

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