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東京医科大ワンマン運営の病巣 「意見できる人いない」補助金事業落選で焦り (2/3ページ)

 ■国から支援「箔付けに」

 臼井理事長は25年7月に理事長就任。「患者にやさしい医療」「医療界のトップランナーを目指す」という方針の下、東京医科大が狙った文科省の「私立大学研究ブランディング事業」は、特色ある研究を行う大学を支援するもので、28年度から始まった。

 補助額は1校あたり年2千万~3千万円程度で支援期間は最長5年。地域社会への寄与に重点を置いたタイプAと国際的なイノベーション創出などで貢献するタイプBがある。対象校の選定はまず、各大学の提出書類を複数の専門家が審査して点数化。それを基に大学学長らが委員を務める委員会で決定する。29年度には計188校が申請し、タイプAは33校、タイプBは27校が対象校に選ばれた。

 がん摘出ができる支援ロボット「ダビンチ」活用など、患者の身体的負担をなるべく軽くする医療拠点を目指してきた東京医科大はタイプBで、「健康長寿社会の実現を目指した世界的拠点形成」を掲げた計画が採択された。だが、ほぼ同じ事業計画内容で応募した28年度は落選していた。

 少子化で経営環境が厳しさを増す私立大は、国の支援事業への依存を強め資金獲得競争が過熱している。

 東京医科大は昨年11月、同大ホームページで、鈴木学長が自ら大学創立100周年事業の一環である今回の事業計画の意義をPRしていた。私立大関係者は「国の事業採択は大学の箔(はく)付けになる。前年度の落選で執行部に焦りが生じていたのでは」と話した。