記事詳細

【国難突破】正恩氏の賭け…「古典的な半島パワーゲーム」の再現 (1/2ページ)

★(4)

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長のシナリオは、ここまでの展開を見る限り、次のように推測できる。

 (1)米本土に届く核搭載ICBM(大陸間弾道ミサイル)の保持を本気で狙った(2)しかし、途中で阻止される可能性は十分あると踏んでいた(3)その際には、一気に米朝首脳の直接対話を狙う-。

 北朝鮮が、米国向けの核開発のスパートをかけたのは、オバマ前政権時代だった。オバマ大統領が相手であれば、逃げ切れる可能性はあると踏んだのではないか。だが、大統領はドナルド・トランプ氏に替わり、「軍事行動も辞さない」と締め付けを始める。

 結果、正恩氏は米朝首脳直接対話へとことを運ぶ。その狙いは何か。

 米朝首脳の共同声明に、CVID(完全かつ検証可能で不可逆的な非核化)の明記がないことをもって「米国側の失敗だ」とする見方がある。だが、文言はどうあれ、米国が厳格な「北朝鮮の非核化」を要求しているのに疑問の余地はない。

 その査察を、ごまかしきることができるのか。正恩氏は、米軍の北制圧能力の高さを知ったから実験を中止し、対話に出たのではなかったか。

 米国側が、今もさまざまに報じられている「北朝鮮による隠れた核開発の確証」を得たらどう出るか。一気に金王朝制圧に出るのではないか。6者協議を反故(ほご)にするのとはわけが違う。米朝首脳会談のにこやかな握手と、非核化宣言を世界中に見せておいて約束を破れば、米国の制圧にかつてない大義名分を与えることになるのだ。

関連ニュース