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【高橋洋一 日本の解き方】中国の急所は人民元自由化 米制裁を無効化する通貨安、トランプ政権が追及するか (1/2ページ)

 米中貿易摩擦を背景に、人民元相場の下落が起きている。

 まず、基本的な数字を押さえておこう。2016年の米国の世界に対する輸出額は1兆4500億ドル(約160兆円)、世界からの輸入額は2兆2500億ドル(約250兆円)、貿易赤字8000億ドル(約90兆円)だ。中国向けは輸出のうち8%で、金額は1160億ドル(約13兆円)、輸入のうち21%で金額は4820億ドル(約53兆円)、貿易赤字は3660億ドル(約40兆円)だ。米国の貿易赤字のうち大半は中国である。ちなみに対日赤字は700億ドル(約8兆円)にすぎない。

 米国は、こうした状況に政治的な不満があり、中国の知的財産権侵害に対する制裁関税を発動する。具体的には、500億ドル(5・5兆円)のうち、まず340億ドル分の中国製品に25%の追加関税を課す。中国も同額の追加関税との報復関税で対抗する。

 両国は水面下では交渉しているとみられるが、どうやら中国は人民元の操作も行っているようだ。人民元レートは変動相場制ではなく、中国政府がコントロールしている管理相場だ。4月以降、徐々に下落して今では6%程度も安くなっている。

 米国では利上げをしており、変動相場であってもドル高に振れやすい。実際、中国以外の新興国でも為替はドル高に向かっているので、人民元安を中国当局が容認しているともいえる。

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