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【高橋洋一 日本の解き方】政府の新エネルギー基本計画、脱原発派と推進派の中庸姿勢 市場原理で原発の比率を低減 (2/2ページ)

 一方、原発推進派からの批判もある。計画で30基再稼働といいながら、実際には9基だけという点だ。もちろん、安全が確保された上での話であるが、原子力規制委員会審査や地元自治体了承の迅速化を望む声は多い。

 原発推進派と脱原発派が激しく対立しているように見えるが、実際には、30年代(39年までに)原発ゼロか、可能な限り低減かとの差だ。原発の新増設の必要性は、第4次と第5次基本計画ともになく、せいぜい再稼働をどこまで認めるかどうかだ。

 しかも、再稼働においても安全の確保は大前提であり、その中で、計画上の30基なのか、現実の9基なのかという程度の差でしかない。

 エネルギー政策基本法は、市場原理の活用もある。それぞれのエネルギーコストに応じて、将来の電源構成比率は自ずと決まってくるはずだ。脱原発派は原発のコストが高いというが、そうであれば、おのずと原発依存度は低下していくはずだ。これが市場原理で、原発推進派も容認せざるを得ない。

 脱原発と原発推進の両方から批判される政府の計画は、安全確保の上、市場原理に基づく自然体であり、原発推進と脱原発の間の中庸のようだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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