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【ぴいぷる】パラスポーツが舞台の小説『伴走者』がヒット 作家、広告プランナー・浅生鴨氏 (1/3ページ)

 ■NHK時代にヒント

 パラスポーツが舞台の小説『伴走者』(講談社)が静かにヒットしている。2月に刊行し、すでに3刷。

 「講談社から長編小説の依頼が来た時に出したいくつかのアイデアの中に伴走者がありました。NHKにいたとき、パラリンピックの放送や特番を担当して、もうすぐソチ・パラリンピック(2014)が始まるというCMで『応援しているみんなが伴走者なんだ』というメッセージを作りました。それがずっと頭にあって」

 伴走者とは、視覚障害者の目となってマラソンやスキー競技で一緒に走るランナーやガイドレーサーのこと。双方の信頼関係が生まれるまでに葛藤などさまざまなドラマがある。視力を失った元人気サッカー選手、全盲の天才女子高生スキー選手に手を焼く伴走者を描いて一気に読ませる。

 著書はこれで4冊目だが、作家への“道”が面白い。

 ■読書量がハンパない

 初めての出版はNHK時代の12年。新潮社から上梓した『中の人などいない@NHK広報のツイートはなぜゆるい?』。自らの体験を書いたノンフィクションだが、同書を読んだ講談社の公式Twitter担当を兼ねている編集者が面会すると、編集者は浅生さんの文才に気づき、エッセーに続いて小説を依頼した。

 「実は断り方が分からず、小説を書いて出せば向こうからボツにしてくれるだろうと思ったんです」

 しかし、思惑は外れ、何度かの書き直しを経て生まれた短篇『エビくん』(「群像」掲載)は好評を得た。さらに新潮社からの依頼で、SF小説『アグニオン』の合計500枚の連載を書き上げ単行本化した。

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